横溝正史シリーズII
女王蜂 第一回
制作毎日放送 三船プロダクション
放送局TBS系列
放送日1978年8月12日(土)22:00-22:55

■キャスト

神尾秀子/岡田茉莉子

大道寺智子/片平なぎさ

多門連太郎/夏 夕介
速水文彦/坂東正之助

大道寺槇/南 美江
速水蔦代/岩本多代

遊佐三郎/赤塚真人
山下巡査/三谷 昇

姫野東作/田中春男
九十九龍馬/川合伸旺

大道寺琴絵/斉藤恵子
日下部達哉?/菊地 太
/本多和子

速水欣造/神山 繁

金田一耕助/古谷一行

■ストーリー

昭和7年。頼朝の末裔とされる伊豆の月琴島の大道寺家を速水欣造と日下部達哉が訪れた。日下部と恋仲になった大道寺家の娘・琴絵は身篭るが、やがて日下部が怪死を遂げ、琴絵も智子を出産後に病死する。
それから20年。速水(神山繁)は智子(片平なぎさ)を東京に引き取るため月琴島に向かう。だが智子の東京行きを警告する手紙が届いていたため、金田一耕助(古谷一行)を同道していた。
速水らが島に到着した日、智子の部屋の鏡台に手紙と同じような警告が書かれていた。その晩、時計塔で智子へ思いを寄せていた漁師の遊佐三郎(赤塚真人)が殺され、翌日には洞窟で使用人の姫野東作(田中春男)の死体が発見される…。

■管理人の感想

原作は別に横溝正史の代表作と言うわけではないし、個人的にも大して面白い小説だと思わないのですが、何故か横溝作品の中では映像化される機会がかなり多く、テレビ版の半年前には市川崑監督の「女王蜂」が公開されています。おそらくヒロインが目玉になるからでしょうが、そのくせ原作通りに映像化されることが少なく、このドラマでも犯人は原作と同じですがストーリーを思いっきり簡略化しています。
舞台は終始月琴島を離れず、それも大部分が大道寺邸の中でのみ展開するのでスケール感には乏しいです。登場人物の省略も激しく、原作で殺される人物が登場しない代わりに智子を守るナイトだったはずの重要人物が殺されてしまい、これにはちょっとびっくり。 しかしもっと驚いたのは20年前の悲劇の発端であったはずの、日下部達哉が高貴な身分の人だったと言う設定までカットされていたこと。それじゃ気の抜けたビールみたいなもんだと思うのですが、何か放送上の差しさわりでもあったのでしょうか。
ヒロイン智子を演じたのは当時アイドル歌手から女優に転向したばかり片平なぎさですが、近寄る男たちを悉く死に至らしめる女王蜂に喩えられるほど妖しい魅力を称えた美女、と言う役柄の適任者だったかどうかは疑問です。ちなみに江戸川乱歩の美女シリーズ「五重塔の美女」でもヒロインを演じています。







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