■キャスト
高頭五郎/ | 黒沢年男 |
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宮本音禰/ | 真野響子 |
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鬼頭庄七/ | 小池朝雄 |
志賀雷蔵/ | 小松方正 |
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古坂史郎/ | ピーター |
佐竹由香利/ | 大関優子(現・佳那晃子) |
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かね/ | 野村昭子 |
しげや(上杉家の女中)/ | 川上夏代 |
上杉品子(誠也の姉)/ | 露原千草 |
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日和警部/ | 長門 勇 |
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等々力刑事/ | 早川 保 |
黒川弁護士/ | 加藤和夫 |
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島原明美/ | 三原葉子 |
笠原薫/ | 岡 尚美 |
/ | 沖順一郎 |
パーティでスピーチする教授/ | 有馬昌彦 |
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高頭俊作/ | 草薙良一 |
/ | 野辺靖夫 |
/ | 水谷純子 |
医者/ | 門脇三郎 |
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/ | 若林敦子 |
/ | 根岸加代子 |
/ | 牧トモコ |
振付/ | 清水秀男 |
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佐竹建彦(音禰の叔父)/ | 米倉斉加年 |
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上杉誠也(大学教授、音禰の叔父)/ | 佐分利信 |
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金田一耕助(私立探偵)/ | 古谷一行 |
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■ストーリー
両親を早くに亡くした宮本音禰(真野響子)は伯父にあたる大学教授上杉誠也(佐分利信)の元で育てられた。その音禰にアメリカに住んでいる曽祖父の弟・佐竹玄蔵から10億の遺産の話が舞い込む。条件は音禰が高遠俊作と言う男と結婚することだった。もし俊作が死んだ場合には、音禰、佐竹建彦(米倉斉加年)、笠原操・薫(岡尚美)姉妹、島原明美(三原葉子)、佐竹由香利(大関優子)、根岸蝶子・花子姉妹の8人で遺産を均等に分けることになっていた。
だが誠也の還暦祝いの席で笠原操、高遠俊作、そして誠也が頼んでいた私立探偵の岩下が殺される。操と俊作が殺されてしまったことで相続権は残る7人に移った。しかも俊作の死体の側に音禰の髪飾りが落ちてたことから音禰に疑いが掛かる。ショックを受けた音禰はホテルの空室に担ぎ込まれるが、そこへ俊作の従兄弟の高頭五郎と名乗る男(黒沢年男)が侵入してきて音禰は犯されてしまう…。
■管理人の感想
第1シリーズは大映と東宝がそれぞれ3本づつ製作を担当していますが、この「三つ首塔」が東宝製作分の1作目にあたります。と言うことで宣伝にも力を入れたのでしょうか。放送に先立って出演者と原作者横溝正史が招かれて記者会見が行われことが、単行本『真説金田一耕助』(1977年毎日新聞社刊)に収録されている横溝正史の当時の「日記」に記されています。
物語はのっけからいきなり3人が殺され、しかもヒロインがレイプされると言う嵐のようなプロローグで始まります。以後莫大な遺産を巡って連続殺人事件が起きるわけですが、その都度ピンチに陥る音禰を高頭五郎が救うと言う展開が繰り返され、いつしか音禰は五郎を愛するようになっていきます。自分を犯した男の謎めいたワイルドな魅力に惹かれていく、なんて男にとって都合の良過ぎるストーリーは今だったら女性蔑視もいいところでしょう。
原作はヒロイン音禰の一人称で語られるサスペンスロマンなので推理の要素は薄く、金田一耕助の登場場面は少ないです。でもこのTVシリーズでは金田一が最初から登場して事件に巻き込まれるお約束事になっています。その結果、この事件での金田一がかなり無能に見えてしまうのは致し方のないところです。殺人を最後まで食い止められないのはいつものことだからいいとしても、殆ど推理をしないしあまり意味のある行動を取っていません。最後の土壇場で漸く見せ場を作りますが、これがなかったら殆ど存在意義ないままでした。
むしろこのドラマの特徴は濃厚なエログロ色。金粉ショーや小池朝雄と佳那晃子のSMショー、更には知的な清純派女優真野響子が際どい編みタイツ姿で縛られるシーンなど、全編にわたって見所が満載です。