■キャスト
鳳千代子(女優)/ | 草笛光子 |
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飛鳥忠熙(実業家、千代子の婚約者)/ | 木村 功 |
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田代信吉/ | 三ツ木清隆 |
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笛小路美沙(千代子の娘)/ | 村地弘美 |
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笛小路泰久(俳優、千代子の2番目の夫)/ | 久保 明 |
的場英明/ | 内田稔 |
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津村真二(作曲家、千代子の4番目の夫)/ | 佐原健二 |
槇 恭吾(画家、千代子の3番目の夫)/ | 小笠原 弘 |
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村上多岐(飛鳥家の女中)/ | 露原千草 |
ミチ(看護婦)/ | 大田黒久美 |
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桜井鉄雄(熙子の夫)/ | 若尾義昭 |
桜井熙子(忠熙の娘)/ | 皆川妙子 |
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村上一彦(多岐の息子)/ | 津野哲郎 |
日比野警部補/ | 田中幸四郎 |
/ | 照内敏晴 |
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/ | 謝秀容 |
/ | 下村節子 |
/ | 西国成男 |
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日和警部/ | 長門 勇 |
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笛小路篤子(泰久の母)/ | 乙羽信子 |
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金田一耕助/ | 古谷一行 |
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■ストーリー
銀幕の大女優・鳳千代子(草笛光子)は過去に4度の結婚・離婚を繰り返した。最初は新劇俳優の阿久津謙三、2番目が元二枚目スターで堂上家の血を引く笛小路泰久(久保明)、3番目が画家の槇恭吾(小笠原弘)、4番目が作曲家の津村真二(佐原健二)。そして現在は元華族で実業家の飛鳥忠煕(木村功)と婚約中だった。千代子には2番目の泰久との間にできた一人娘の美沙(村地弘美)がおり、幼いころから義母の笛小路篤子(乙羽信子)の元で養育されていた。
だが最初の夫・阿久津が事故死したのに続いて泰久も軽井沢のプールで変死を遂げる。そして忠煕にも「千代子から手を引け」と言う脅迫状が届き、実際にも何度か命を狙われた。忠煕は偶々軽井沢に静養に来ていた金田一耕助(古谷一行)に調査を依頼する。
ある晩、千代子をホテルに送った帰りに津村の別荘の傍を通りかかった忠煕は、娘の煕子(皆川妙子)が津村と一緒にいるのを見て驚く。しかも煕子が注いだブランデーを口にした津村が血を吐いて倒れるのを目撃する。煕子は逃げ出し、忠煕も慌ててその場を立ち去った。
翌日、津村の別荘で殺人事件が起きたと言う報せを受けて金田一、そして忠煕も現場に赴く。だが殺されていたのは何故か津村ではなく、槙だった。一方、金田一は茶卓の上に散らばっていた朱色や緑色のマッチ棒に何か意味ありげなものを感じる…
■管理人の感想
1970年代の所謂「横溝正史ブーム」で再び執筆意欲を掻き立てられた横溝は
、1974年暮れに約10年振りの新作「仮面舞踏会」を書下ろしで発表。なので晩年の作品と言うことになりますが、年のせいでくどくなったのか、正直言ってやたら長いだけの退屈な小説だった印象があります。
一方テレビ版は簡略化されてコンパクトにまとまっています。
軽井沢の別荘地を舞台に、大女優の元夫が次々殺され、現在の婚約者も狙われると言う物語。ちょっとネタバレを言うと主要な出来事は全て1話目のうちに起こってしまうので、推理の上では2話目3話目を飛ばしていきなり最終回だけ見ても一向に問題ないです。道理で長い原作を全4話に圧縮できたわけですが、その代わり原作には登場しない看護婦を狂言回しに使って途中の話をうまく繋いでいます。
犯人は結構意外ですが、3話目で大体わかってしまいます。ただ最終回で明かされるその隠された驚くべき動機。物語の前提そのものが覆ってしまう秘密の暴露があります。その一方で肝心の事件の解明についちゃおざなりで、殆ど謎が解けないまま終わっているので推理ドラマとしてはすっきりしません。特に犯行を証明する最も重要な事柄が金田一の「火事場の馬鹿力」の一言で片づけられていることには唖然。脚本家がどういう人なのか知りませんが、おそらく推理物のシナリオなんかは殆ど書いたことない人なのでしょう。ドラマ性に重きを置くかミステリーに重きを置くかで評価も佳作か愚作が分かれそうな微妙な作品です。
草笛光子は「悪魔が来りて笛を吹く」の秋子役よりもやっぱりこの鳳千代子みたいな気の強い女性の役の方があっています。万年青年の木村功もこの頃は50を過ぎてダンディなおじさまになっていますが、喋り方は相変わらず少し書生っぽい。「…と、日記には書いておこう」(龍角散トローチのCM)の村地弘美、「飛び出せ!青春」の大田黒久美が出ているのは懐かしかったです。