盲獣
盲獣
製作大映東京撮影所
配給大映
公開日1969年1月25日
上映時間83分(カラー/シネマスコープ)
併映「秘録おんな寺」(田中徳三監督/安田道代)

■スタッフ

企画/仲野和正 原作/江戸川乱歩 脚本/白坂依志夫

撮影/小林節雄 録音/須田武雄 照明/渡辺長治 美術/間野重雄

音楽/林 光 編集/中静達治 助監督/佐々木行夫 製作主任/籔本和男 写真提供/ノーベル書房「悪の華」撮影・鈴木彰 現像/東京現像所

監督/増村保造

■キャスト

蘇父道夫/船越英二
島アキ(モデル)/緑 魔子(東映)
しの(道夫の母)/千石規子(東宝)

■ストーリー

モデルの島アキ(緑魔子)は自分のヌード写真が展示してある個展会場でアキをモデルにした彫刻を撫で廻している男(船越英二)を目撃する。数日後アキはマッサージ師を装ったその男にクロロホルムを嗅されて不気味なアトリエに連れ込まれる。その男・蘇父道夫は先天的な盲人であり、母親のしの(千石規子)と2人で暮らしていた。 自分の理想の女体を追い求めていた道夫はアキにそのモデルになってくれるよう哀願する…。

■感想

原作は盲獣と称される盲目の殺人淫楽者が次々と美女を捕えて弄び、責め苛み、殺し、そしてバラバラにして展示すると言う、乱歩の中で最もエログロ度の強い小説。晩年の乱歩は作者自らが吐き気を催すほどだとして一部のエピソードを全集から削除したほどですが、映画は原作のごく一部を別のモチーフで描いたオリジナル作品。なので残念ながらと言うか当然ながら「芋虫ごーろごろ」も「鎌倉ハム大安売り」もありません。
盲獣のアトリエを飾る巨大な手や足、乳房のトルソなどは、お決まりの安っぽい悪趣味で描かれています。 出演者は盲獣の船越英二、モデルの緑魔子、そして原作にはない母親役の千石規子の文字通り三人だけ。大部分は密閉されたアトリエ内部でこの三人による三角関係の愛憎劇がドロドロと延々繰り広げられ、ある意味では乱歩の原作よりよっぽど気持ちが悪いです。母親が死んだ後は、触覚のみによる快楽の世界と言う原作にもあるエピソードが描かれますが、このほうは半ば付け足り。最後も、そういう結末に持っていくために頭で考えたお話と言う気配がミエミエです。 緑魔子はヌードの場面でも微妙に胸が見えないように映しているので、その一線はしっかり守っているのかと思ったら、最後の方になるともうどうでも良くなったのか、しっかり乳首までまで見えてましたね。







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